評価:
加藤 静雄
サンエイジング
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(1996-05)

小説ではなくて学術書です。

これもまた小説を書く際に、参考とした本です。

 

ゼウスが生まれたのはクレタ島でした。

そのクレタ島では古くからポトニアという大女神が信仰されていました。

この大女神の系譜上にあるのがヘラやアテナ、デメテルなどです。そして、ヘラと関わりのある動物が牛です。牛の角は、キリスト教にとっての十字架のように、クレタ島の宗教のシンボルでもあったのです。

 

ギリシャ神話で最高神ゼウスの意のままにならない唯一の神、ヘラ。

彼女がなぜゼウスに対抗できたのかというと、彼女はゼウスよりも古い系譜を持つ神だったからなのです。

その根拠が、このクレタ島の宗教にあったわけです。

 

こうして考えてみると、ヨーロッパ文明の起源はギリシャ文明。そのギリシャ文明の起源はクレタ文明にあるといえるのではないでしょうか。

 

「ぶどう酒いろなす海原のただ中に、

 まわりを海に洗われた、

 うるわしい豊かなクレーテーと呼ぶ地がある」

  (オデュッセイア 第19巻、本書5ページ)

 

本書はそのクレタ文明について考古学の成果を盛り込んで論述された好著です。


 

目次

クレタ文明讚歌―プロローグ―

エーゲ海の中のクレタ

クレタ文明の記憶

クレタ文明の概略

クレタの海外進展

クレタの考古学博物館

クレタの「印章」

クレタの「宗教」

クレタの「壁画」

クレタの「文字」

クレタの遺跡探訪

エピローグ

 

本書を参考に書いた『君と歩く永遠の旅』第二章古代ギリシャ編もよろしく。

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